ここでは、実際に私が出会った占い師や、
お客さんから聞いた占い師の話を取り上げます。
主に、問題のある占い師のパターンを挙げて行きます。
本来占い師は、沢山の悩んでいる人を相手にするゆえ、むしろ普通以上に
精神力や信念や明るさなどの、パワーを求められる仕事です。
しかし現実には、お客さん以上に暗い人、悲観的な人が少なくありません。
受験や就職の失敗、失恋、家庭不和、失業など、
挫折をきっかけに占い師を目指した人も多いでしょう。
昨今はともかく、このように収入が不安定で社会的地位もない仕事に就く人には、
おそらくよほどの事情があった場合が多かったのでしょう。
それ自体は決して悪い事ではないのですが、
残念ながら、その挫折した時点の悲観的な人生観のまま変わらない占い師も多いです。
また、お客さんたちのマイナスの精神波に負けてしまった場合もあるでしょう。
往々にしてお客さんは、いい事を言われるのに慣れていないものですし、
また、占い自身が、現代の科学で証明出来るものではないので、
どうしても猜疑心のかたまりになってしまいがちです。
そういうお客さんたちを何人も相手にしていると、つい影響を受けてしまう事もあるでしょう。
(本当は、そんな時でも、占い師は負けてはいけないのですが)
お客さんに対する一種の親心で、より苦労のない道を選んで欲しいと願い、
とにかく悪い物事悪い結果を避けるようにと言う占い師もいるでしょう。
お客さん側もより苦労のない道を選びたい場合なら問題ないのかも知れませんが、
そうでない場合は、やはり問題が出て来ます。
以上のような占い師の場合、物事の否定的/悲観的な側面しか見られなくなっています。
肯定的/楽観的な側面や、否定肯定どちらでもない側面などを見落とし、
部分的に当たる事はあっても、片手落ちの占いになってしまうでしょう。
95%の善意と5%の悪意を持つ人を占う時に、その95%の方をまるで無視して、
わずか5%の部分しか見ようとしない、それが全てであるかのように語る占い師が多いです。
占い師は、相手が知らないことを知り得る立場なのと、人に指導をする立場ゆえ、
気を付けていないとついつい傲慢になりやすい仕事です。
人を支配したい欲求にかられて、占いを始めた人も少なくないでしょう。
また、お客さんたちから受ける不安な波動に負けまいと思うあまり、
かたくなになってしまう占い師もいるでしょう。
お客さん自身が傲慢な人の場合なら、「毒をもって毒を制す」の効果が期待できるでしょうし、
人によっては「なにくそ!」とかえって発奮もできるでしょう。
しかし、そうでないお客さんの場合は、「だからオマエはだめなんだ」という口調に負けて、
ますます自分に自信をなくしたり、自分で何かを切り開いて行こうという気力を失いかねません。
今では誰もが仲のいい夫婦と認める、芸能人同士のカップルでも、
結婚した当初は占い師の10人中8人から、
「この二人は縁が薄い」「すぐに、またはX年後に離婚するでしょう」などと言われてました。
相性が最高にいいと思われる場合以外は、どうしても悪く言いがちになるようです。
また、同じ外れるのでも、いい事を言われて外れてお客さんがショックを受けるよりも、
悪い事を言われて外れたほうがマシだと考える占い師もいるでしょう。
他にも、占い師によっては、わざと悪い事を言ってインパクトを与えて、
お客さんを自分のリピーターにしたがる人もいるそうです。
それが会社の方針だという場合もあるそうです。
より料金の高い特殊な祈祷などを勧めたり、
高額な壷や印鑑やパワーストーン(水晶など)を買わせるための入り口として、
占いが使われる事もあります。
いわゆる霊感商法です。
この場合は、悪い事を言って相手の不安をあおるのが常道となっています。
ちなみに私はよくお客さんから、「K先生はいっつもいい事しか言わないからなぁ」と言われますが、
決してそんな事はありません。私はちゃんと悪い事も言ってます。
ただ、それを避けるための対策や、別の側面から見た良い点などを、同時に述べているので、
受け止める側としても、ショックが和らいだり、かえってやる気になれるのでしょう。
占い=悪い事を言われる場 と考えて占いをしに来るお客さんにとっては、きっと意外なのでしょう。
例えば、「長期の海外旅行に行ってる彼の、自分に対する気持ち」を占った時は、
「あちこち行ったり色んな人に会ってて忙しくて、普段はあなたの事を忘れてるけど、
その代わり、きれいな風景を見たとかおいしい物を食べたとか、何かに感動した時は、
あなたにも見せたい、食べさせたいなど、いつもまずあなたの事を思い出してる」と、
「片思いの彼に告白した」、その結果を占った時は、
「今まではあなたの事を女として見てなかったけど、この告白がきっかけで、
あなたの事を異性としてかなり意識し始めた」と、出ました。
「四六時中あなたの事を考えてる」とか「実は彼も前からあなたを好きだった」等のような
いい結果では決してない事もちゃんと言ってるのです。
こういう占い師は、私以外にも沢山います。
「完璧に良い」とは言えない状況や、お客さん自身が途方に暮れている(=白い物も黒く見える)中で、
良い側面に気付く、別の可能性を考える、どうすればいいか対策を考えるのは、
占い師だからこそ出来る技でしょう。
(2001-09-29)