座相



惑星やその他の重要ポイントのうち二つの間の角度が、
以下に挙げる特定の角度となる時に、
その二つは「座相(アスペクト)を持つ」と言います。
なお、以下の記述には「吉」および「凶」という言葉が多用されていますが、
あらかじめ、 「吉」と「凶」の概念を読んだ上で こちらにお進み下さい。



吉座相と凶座相

前者を 吉角、調和相、ソフト・アスペクト、イージー・アスペクト
後者を 凶角、不調和相、ハード・アスペクト、ディフィカルト・アスペクト と呼ぶ事もあります。
吉座相には、120度、60度、30度、72度(吉意の強い順)などが、
凶座相には、180度、90度、150度、45度、135度(凶意の強い順)などがあります。
ちなみに0度は、惑星の元々の意味によって吉にも凶にもなります。

座相に対して吉または凶という形容は、最近では使われなくなって来ています。
(私個人は、そもそも吉と凶の概念が流動的なのだと考えます。)
現実に、金星や木星など「いわゆる吉星」の吉座相をマイナスの意味に使っている人も、
火星や土星など「いわゆる凶星」の凶座相をプラスの意味に使っている人も、
有名無名を問わず、実に沢山います。
また、同じ一人の人間が、持っている一つの座相を、ある時まではマイナスに使っていたのに
ある時を境にしてプラスに活かすようになった、という事例も多いです。

凶座相は吉座相に比べてエネルギーが大きい とも言えます。
吉座相は運転の楽な軽自動車、凶座相は運転の難しいダンプカーに例えられるでしょう。
生半可な覚悟や浅い経験でダンプカーを運転すると、軽自動車よりも大きな事故を起こします。
しかし、失敗しながらでも経験を積んでしっかりと覚悟をして運転するなら、
ダンプカーの方がより大きな仕事を出来るものです。
常に問題意識を持ち、社会的に大きな仕事をしている人には凶座相が、
自分の人生に疑問を持たず、ごく普通に暮らす平凡な人には吉座相が多いようです。

凶座相は、矛盾や葛藤を示す とも言えます。
しかし、互いが互いを切磋琢磨しあいながら、結局は両方ともパワーアップして行く事も多いです。
(よく遊んだ方がかえって勉強もはかどる、仕事を始めたらかえって家事も頑張るようになった、等)
また、その矛盾を統合出来る方向が見つかった場合には、
相反する複数の勢力から支援を得られる強い立場となります。


附記・木星の座相について

特に木星に関しては、かえって凶座相がある方が活性化しやすいようです。
木星に180度の角度を取る惑星は、
その人の天職/ライフワーク/社会的に認知される姿 を示している事が多いです。
また、自分の木星に180度となる位置に星を持っている相手は、
その人の人生を切り開く有意義なパートナーとなるようです。
(影響力の強さで並べるなら、以下、0度、90度、120度、60度と続きます)

 例えば、木星がおうし座20度にある人なら、
 海王星がさそり座20度付近にあって180度となる場合は
 海王星(inさそり座)の表すものがその人のライフワークになる、
 さそり座20度付近に何らかの惑星を持つ人、またはさそり座生まれの人が
 その人の人生を開くカギとなるようです。


オーブ(許容度)について

それぞれの座相には、「誤差がこれ位までならその角度を取っていると見なす」
という許容範囲があります。それをオーブ orb と呼びます。
研究者の間では、オーブをより狭く取るのが現在の主流となっています。
反対に、実際に鑑定を行う人の間では、むしろオーブを広く取る方が多いです。
本によって、研究者によって、数多くの説があります。
誤差の小さいものをタイトな座相、誤差の大きいものをワイドな座相とも呼びます。

※ちなみに、現実の角度よりも、入っている星座同志の位置関係を重要視する見方もあります。
 惑星Aがおひつじ座0度、惑星Bがかに座29度にある場合、
 現実の角度は119度で、オーブ1度のトリンとなりますが、
 これを、おひつじ座とかに座の「星座の位置関係」から、スクエアと見なす考えです。
 インド占星術ではポピュラーな見方です。

接近と分離

 接近の座相と分離の座相では、オーブを区別する事が多いです。
 接近とは、その二つの惑星がこれから正確な角度を作ろうとしている所。
 分離とは、その二つがもう正確な角度を作り終わって、その角度から離れようとしている所。


座相の種類

座相には、
第一種座相(メジャー・アスペクト major aspect)と
第二種座相(マイナー・アスペクト minor aspect)があります。

第一種には、0度、180度、120度、90度、60度が、
第二種には、30度、45度、72度、135度、150度があります。
特に重要視されるのは、第一種の方です。初心者の方は、第一種だけご理解下されば十分です。
ちなみに、第二種でもタイトなものは、第一種に匹敵する影響力を持つ事もあります。


各座相の特性その他

記号 度数 名称 影響力 吉凶 オーブ
太陽
オーブ
オーブ
その他
英語表記 備考
第一種 0度  コンジャンクション 最強 不定 接近10度
分離15度
接近8度
分離12度
接近6度
分離8度
conjunction 互いの星の
意味を強め合う
180度  オポジション 最強 10度
15度
8度
12度
6度
8度
opposition 緊張・矛盾
120度 トリン 10度
15度
8度
12度
6度
8度
trine 幸運・発展
時に安逸
90度 スクエア 10度
15度
8度
12度
6度
8度
square 障害・格闘
60度 セクステル 中強 接近5度
分離5度
接近5度
分離5度
接近5度
分離5度
sextile 努力による幸運
・協調
第二種 30度 セミセクステル 接近3度
分離4度
接近3度
分離4度
接近2度
分離3度
semi-sextile 潜在的な好機
・調和
45度 セミスクエア 3度
4度
3度
4度
2度
3度
semi-square 摩擦・憂慮
72度 クィンタイル  中A 3度
4度
3度
4度
2度
3度
quintile 建設的・援助
135度 セスキコードレート 3度
4度
3度
4度
2度
3度
sesquiquadrate 困難・攪乱
150度 インコンジャンクト  中A 3度
4度
3度
4度
2度
3度
enconjunct 困難・圧迫
別名クィンカンクス

   A部分は、場合によっては中強


その他

パラレル parallel

二つの惑星が、赤緯(天の赤道から天の北極/南極に向けて測った度数)の同じ角度にある事。
今までの座相が横の角度なら、パラレルは縦の角度と言えるでしょう。
オーブは1度、影響力は中、意味は合と同じです。
ちなみに、惑星の赤緯の位置まで載っている天文暦はあまりないのが現状です。

ミューチュアル・リセプション mutual reception

二つの星座が、それぞれの支配星を交換しあっている形。
互いの問題点をカバーしあい、吉に働かせると言います。
※月がいて座(木星を支配星とする星座)にあり、木星がかに座(月を支配星とする星座)にある など。


グループ・アスペクト

三つ以上の惑星がそれぞれ座相を作って、特徴的な配置となる場合もあります。


グランドトリン

 俗に言う「幸運の大三角」。
 三つの星がそれぞれ120度の角度となり、正三角形を作る配置。
 良くも悪くも、その安定から逃れられないと言われます。
 良い境遇にある時は安定と繁栄を、悪い境遇にある時はそこに縛られる意味を持ちます。
 しかし、吉星だけのグランドトリンが、その人の成長を止めているケースも多いです。
 良い場合悪い場合どちらも、他の星からの凶座相を喜ぶようです。

グランドクロス

 1999年7月にも出来たと言われる、「試練の十字架」。
 四つの星がそれぞれ90度/180度の角度となり、十字を作る配置。緊張/矛盾/葛藤など。
 伝統的には非常に恐れられていた配置です。
 しかしながら、偉業を成し遂げた人にはこの配置を持った人が良く見られます。

Tスクエア

 二つの星が180度を作り、第三の星がその両方に対してそれぞれ90度となり、Tの字の形を作る配置。
 180度となる星の緊張状態を更に高める意味があると言われます。
 グランドクロスほどではないものの、緊張/矛盾/葛藤などを高める作用があります。
 社会的に有意義な仕事をしている人に良く見られます。

調停の座相

 二つの星が180度を作り、第三の星が一方に120度、もう一方に60度の座相を作る配置。
 180度となる星の緊張関係を緩和する効果があります。
 現実には、単に120度や60度の座相だけの場合よりも、かえって「使える」配置です。

ヨッド yod

 二つの星が60度を作り、第三の星がその両方に対して150度の角度となり、Yの字の形を作る配置。
 別名「神の指」。 最近注目されるようになりました。
 吉凶の判断はともかく、何らかの宿命的な作用(=潜在意識下でのコンプレックス?)を示すと言います。

(2001-11-20)



西洋占星術
西洋占星術=基本の考え方
惑星
惑星以外の重要なポイント
室(ハウス)
・座相
出生時間が解らない時
出生時間の推測法
ホロスコープを入手したい時
ホロスコープの作り方
太陽のある星座
木星〜冥王星のある星座

目次に戻る