西洋占星術では惑星の他にも、いくつかの重要なポイントを設けています。
ここでは普通の入門書に出て来るものを取り上げます。
上昇点・上昇宮 などとも言います。
出生時、東の地平線が何座の何度にあったか。ホロスコープの左側、第1室の始まり。
厳密に言うと、上昇宮とは、東の地平線が何座にあったかを示しますが、
俗には、アセンダントと上昇宮が混同されて使われている場合が多いです。
出生時間が約4分進めば1度、約2時間進めば1星座進みます。
また、緯度や経度が1度違えば、約1度違ってきます。
出生時間が不確かな場合でも、推測する方法はあります。
その人の容貌、体質などを示します。個性を決定する特に重要なポイントです。
普段人前での姿、または、普段人前ではこうでありたいという願望を示します。
第一印象では、太陽のある星座よりもアセンダントのある星座の生まれのように見られるものです。
下降点・下降宮 などとも言います。
出生時、西の地平線が何座の何度にあったか。ホロスコープの右側、第7室の始まり。
アセンダントとは常に180度の位置関係です。
パートナー(公私ともに)、その人に足りないもの/補うべきものを示します。
その足りないものは、人に補ってもらう事も自分で意識的に補って行く事も出来ます。
結婚を占う時は、特に重要視されます。
例えば、アセンダントやぎ座の人は、ディセンダントがかに座となる。
自分にも他人にも厳しく、(それは長所でもある)
かに座の示す、人に対するこまやかな思いやりやマメさを補うと、鬼に金棒になれる。
反対に、アセンダントかに座の人は、ディセンダントはやぎ座となる。
自分にも他人にも甘い所があるが、(これまた長所でもある)
やぎ座の示す、自分に対する厳しさや、人を指導していく姿勢を補うと良い。
当然ながら双方とも、自分の長所を必要とされる場面では、
自分を卑下したりひるんだりせず、思いっきり自分を発揮していけばいい。
ただし、自分の長所を美化し、その相手の(自分にない)長所を軽んじていては、
その相手からの協力は得られないでしょう。
自分にない長所を持っている人として尊敬するか、
それとも、自分の持ってる長所を持たないダメな人と見るか、
ディセンダントの示す可能性を活かすのも眠らせるのも、まずは本人自身の自覚から始まります。
南中点とも言います。
出生時の天頂(太陽の軌道の最も高い所)が何座の何度にあったか。
ホロスコープの上側、第10室の始まり。
その人の社会的な姿、人生のうちで到達できる最も高い地点を示します。
伝統的にはその人の父親の姿と言われましたが、
むしろ最近では、その人に決定的な影響力を持つ方の親の姿と言われます。
(現代の社会では男女ともに、父親よりも母親の影響の方が強いでしょう)
職業を占う時は、特に重要視されます。
その人が親や周囲から求められる姿、こういう人間でありたいという理想の姿、とも言われますが、
その通りの姿に実際になれる場合と、
ただ理想としてあるだけか、周囲の声に押しつぶされたりで、実際にはそうなれない場合と、
両方のケースがあります。
その二つを分けるのは、星回りや運命という前に、他ならぬ本人自身の自覚と意志でしょう。
ただ、本人がその気になりさえすれば、実現は保証されているのです。
北中点とも言います。
出生時の天底(太陽の軌道の最も低い所)が何座の何度にあったか。
ホロスコープの下側、第4室の始まり。MCとは常に180度の位置関係です。
その人が生まれた時の環境、その人の晩年の姿、最終的に帰って行く境地などを示します。
ヘッドと略す事もあります。
太陽の軌道と月の軌道の交差点のうち、月が上昇して来る方。
テイルと略す事もあります。
太陽の軌道と月の軌道の交差点のうち、月が下降して行く方。
以上の二つを合わせて、ドラゴンポイントと呼ぶ事もあります。
互いに常に180度の位置関係にあります。天文暦にはドラゴンヘッドしか書かれていないものです。
ドラゴンヘッドの方は、その人が今世で達成する境地や課題を、
ドラゴンテイルの方は、その人が前世から引き継ぐ問題や課題を示します。
前者は肯定的に、後者は否定的に語られる事が多いですが、
私自身が見る限り、そう変わりはないようです。
前世から引き継ぐものでも、悪い意味のものと良い意味のものと両方あります。
また、相性を占う時、一方のドラゴンヘッド/テイルが、もう一方の太陽・月・アセンダントなどと
合または強い座相を持つ場合、その二人には前世からの強い絆があったと見ます。
(2001-11-09)