このページは、出生時間が不確かな方の場合、
あまり参考にならないかも知れません。
その場合は、太陽のある星座を第1室と考えて代用します。
アンギュラー angular またはアングル(第1、4、7、10室)
何かを始める、周囲を引っ張っていく等の意味があります。
サクシデント succeedent(第2、5、8、11室)
何かを継続させる、蓄える等の意味があります。
カデント cadent(第3、6、9、12室)
何かにアイデアを与えたり方向を示したり、自己を抑えたりする意味があります。
従来の占星術では、アンギュラーに重要な星があるまたは多くの星が入っている人は運勢が強いと、
反対に、カデントに重要な星があるまたは多くの星が入っている人や、
アンギュラーに一つも星が入っていない人は、運勢が弱いと言われて来ました。
しかしそれは、立身出世や押しの強さは無条件に吉、柔軟性や押しの弱さは無条件に凶とする、
昔の社会に固有の発想であろうと思われます。
ただ、それぞれのタイプに合った、仕事の成功または納得できる人生のパターンがあるだけです。
何かを始めるにはまず、「リーダーまたは言い出しっぺ」が居なくてはならず、
また、それを軌道に乗せたり継続させたりする為には、「有能な番頭役」が居なくてはならず、
そして、その反省や軌道修正をしたり、新しい方向を探したり、手足となって現実の作業をしたり
という、「教育者/アイデアマン/秘書」が居なくてはなりません。
この3つは、どれが優れていてどれが劣っているという物ではありません。
どれもが平等で、欠かせない要素です。
入ってる惑星が多いほど、重要な惑星が入っているほど、
その室のテーマにその人の意識が強く向かっている事になります。
各室の説明にある『室が強調されている』とは、以下の通りです。
・太陽または木星または月がある
・3つ以上の惑星が入っている
・座相の多い惑星(他の数多くの惑星と座相を持つ)が入っている
全く惑星の入っていない室は、その人の意識がそのテーマに特に集中していないという意味です。
良くない意味とは限りませんし、決してそのテーマに縁がない訳ではありません。
惑星がない場合は、その室のカスプ casp(その室の入り口の境界線)がある星座の支配星が、
何座/第何室にあってどういう座相を持つか、で見ます。
※例えば、第5室に惑星がなくカスプがおうし座の場合は、
金星が何座/第何室にあってどういう座相を持つか、など。
それぞれの室と、その正反対の位置にある室は、互いに補い合う意味を持つものです。
(第1室と第7室、第2室と第8室など)
ある室の意味が悪く出ている場合でも、その正反対の室を重要視する事で、補う事が出来ます。
『反対の室で補う』とは、以下の通りです。
・反対の室に惑星が入っている場合は、その意味を尊重する
・ない場合は、その反対の室の意味の事柄を意識的に行う
または反対の室の位置に惑星をもっている相手と付き合う
※例えば、第2室がみずがめ座11度〜うお座20度で、その室の悪い意味が出ている人なら、
第8室=しし座11度(または06度)〜おとめ座20度の間に何らかの惑星を持つ人が、
良いパートナーになります。
自我・容貌・体質・その人の第一印象
この室に入る星は自己主張が強いので、その人のキャラクターに決定的な影響を与えます。
自己主張や押しの強さを必要とする仕事に向きます。(適する分野は入ってる惑星等で検討します)
この室が悪く働くと、いわゆる「野中の一本杉」、
自分と違うものに興味がなかったり他者との折り合いが悪くなったりしますが、
その時には第7室を意識的に補う必要があります。
財産(特に自分の自由に出来る財産)・物質・五感・スキンシップ・血縁関係
この室が強調されている人は、
金融関係、五感を使った職人としてのアーティスト等に多いようです。
この室が悪く働くと、自分の価値観に固執したり、
「目に見えないもの」を信じなかったりする人も多いようですが、
その時には第8室を意識的に補う必要があります。
なお、この室に土星や天王星などいわゆる「凶星」が入っていると、
伝統的には財運がないと言われていましたが、
長期的視野に立つか尋常ではない発想で思わぬ財を手にしたり、
いわゆる摂食障害(拒食症/過食症/過食嘔吐など)の人にも多いようです。
兄弟姉妹・親戚・プライベートな友人・初等教育・近距離の旅行・コミュニケーション
この室が強調されている人は、
初等教育や技術を教える教育者、通信/マスコミ関係、商業デザイナー等に多いようです。
この室が悪く働くと、「何のために」という目的や善悪の価値観を持たず、
単なる情報屋や器用貧乏に終わる事も多いですが、
その時には第9室を意識的に補う必要があります。
家庭・家族・私生活・晩年・生活者・一般大衆・伝統的には母親・その人の基盤となるもの
この室が強調されている人には、親の職業を継ぐ人、「家」を守る人
食料品や日用品の商売など日常生活に関わる仕事をする人などが多いようです。
この室が悪く働くと、私生活や家族との関係を重んじるあまり、社会的な視点を欠く人も多いですが、
その時には第10室を意識的に補う必要があります。
恋愛・子供・娯楽・投機
この室が強調されている人は、まず自分が楽しむ事で結果として人をも楽しませ、
それが職業/生き甲斐になって行くようです。
舞台俳優など、人前でパフォーマンスをするアーティストや、
みんなの旗印となるリーダーにも多いようです。
どんな分野でも、デスクワークよりは現場に向きます。
この室が悪く働くと、刹那的になったり、他者の評価を無視して自己満足に陥ったりしますが、
その時には第11室を意識的に補う必要があります。
勤労・義務・家事・部下・ペット・健康
この室が強調されている人は、自己を抑え何か(誰か)に尽くす事に自分の価値を見いだす人、
秘書やマネージャーなど補佐的な仕事、公務員、医療関係者、警察官などに多いようです。
この室が悪く働くと、現実の作業に溺れて「自分の内なる声」を無視したり、
「言われた事だけやって自分の義務だけ果たしていればいいだろ」と
他者に対する同情心が薄い人もいますが、
その時には第12室を意識的に補う必要があります。
結婚・共同事業・パートナー・ライバル・利害の調整能力
この室が強調されている人は、人と協調してする仕事全てに向きます。
政治家、弁護士、接客業、芸能人にも多いようです。
この室が悪く働くと、「自分自身はどうしたいのか」という自我を持たず、
相手によって立場や考えをコロコロ変える人もいますが、
その時には第1室を意識的に補う必要があります。
死と生・セックス・不動産・配偶者の財産・超感覚・潜在意識・極限状態・祖先
他者の価値観と出会って自分を変容させる意味があります。
この室が強調されている人は、(自分の親に限らず)人から有形無形の遺産を受け継ぐ人、
配偶者や子供や心酔するリーダーなど、「自分の人生を託せる相手」を求める人が多いです。
平常時には自分の存在理由が見えず、極限状態の中でそれを見いだす人も多いです。
この室が悪く働くと、極限状態や非日常的な感覚を重んじるあまり、
普通の生活感覚がおろそかになったりしますが、
その時には第2室を意識的に補う必要があります。
宗教・信念・夢(ビジョン)・哲学・高等教育・外国・遠距離の旅行・義理の親族
この室が強調されている人は、
専門技術や深い思想を教える教育者、宗教関係、海外に関する仕事などに就く人が多いようです。
この室が悪く働くと、観念論を重んじて現実の調査をおざなりにしたり、狂信的になったり、
人に伝える表現力を持たなかったりしますが、
その時には第3室を意識的に補う必要があります。
天職・社会活動・名誉・業績・社会人全般・自分の人生観に影響を与える親(伝統的には父親)
※むしろ現実には、母親を示している事が多いそうです。
この室が強調されている人は、どんな職業であれ、
社会的に頭角を現したり、指導的な立場に就く人が多いです。
この室が悪く働くと、仕事のために私生活や家族を犠牲にしたり、
「人々の生活を豊かにするために仕事がある」というごく基本の姿勢を忘れ、
仕事が功名心を満たす手段になったりしますが、
その時には第4室を意識的に補う必要があります。
理想・同志としての友人・団体活動・アイデア・発明
「人や社会が本来どうあるべきか」を追い求める室。
この室が強調されている人は、組織人として最も適性があるでしょう。
ボランティアや市民運動、サークル活動など、本職以外で非営利の活動に従事する人も多いです。
この室が悪く働くと、組織や全体のために個人の尊厳を無視したり、
「自分はどうあるべきか」を追い求めるあまり
「自分がどうしたいのか、どうするのが楽しいのか」を忘れたりしますが、
その時には第5室を意識的に補う必要があります。
無意識・秘密・奉仕・犠牲・イマジネーション・慰安
その無意識の声を閉じこめる方向で生活していると、
かえって事故に逢ったり体調を崩しがちになるようです。
また、この室にある惑星や星座の意味は、その人にとっての健康法を表すとも言います。
この室が強調されている人は、奉仕的な仕事に就く人、
映画俳優など人目に付かない所で仕事をするアーティストにも多いようです。
この室が悪く働くと、イマジネーションの世界や自虐的な考えに溺れて
現実の作業をおざなりにしがちですが、
その時には第6室を意識的に補う必要があります。
多くの種類があり、研究者によっても支持する方法が違います。
占う手法によっては、使う分割法を指定するものもあります。
(どの方法が最も適しているのか、私自身も検討中です。)
まずはプラシーダス法が使えれば十分でしょう。
現在の日本で最もポピュラーな方法。入門書に付いているのは、大体これです。
Raphael's Tables of Houses は、これに基づいた室項表(各室の位置を表にしたもの)です。
※詳しくは、ホロスコープを入手したい時 をご覧下さい。
緯度の高い地域で特に目立つ、室の大きさのばらつきを、プラシーダス法よりも少なくしたもの。
研究者の中ではプラシーダス法よりこちらを支持する人も多く、最近注目の方法です。
ヨーロッパなどでは多く使われています。
なお、日本国内では、この方法の室項表の入手は困難です。
(パソコンの占星術ソフトにはよく入っています)
ちなみに、アセンダント/ディセンダント/MC/ICの4カ所の位置は、
プラシーダス法と変わらないようです。
アセンダントを第1室の初めとし、以下、30度ずつ進んだ所を次の室の初めとする方法。
初心者にも解りやすいですが、色々な研究を極めてきた研究者が支持している事もあります。
アセンダントとディセンダントの位置は、プラシーダス法と変わりません。
(2001-12-10)